保険のプロって見分けられますか?

あなたは誰が保険のプロかって区別つきますか?
僕はプロの保険屋としてお仕事をしていますがそんな僕でも誰がプロなのか絶対に分からないと断言できます。
なぜか?
「えーそんなの誰も言ってくれないし…。」
逆です。
保険の仕事をしている人は全員が「プロ」と名乗ります。
僕が保険の仕事を始めた頃、知る人ぞ知る保険会社の研修生という制度を利用して業界に足を踏み入れましたが、初日から名刺には「保険のプロです。」と書いていました。
なぜか?
それは保険なんて難しい商品、詳しくない人から誰も買いたくないからです。
とにかくプロっぽい人や、知り合いや、信頼できる人から買って、安心したいんです。
だから僕ら保険屋は誰もがプロと名乗ります。
それも面白い事に全員がそれを裏付ける確固たる根拠を持っています。
その根拠を今からご紹介します。

保険屋って誰のこと?

 

まず、保険屋とはそもそも誰の事か?
【保険会社で働く人】
保険会社とはメーカーのことです。
保険を作っているわけです。基本的に保険会社は自ら保険を売ることはしません。この人達は基本的にあまり仕事の話をしたがりません。ノルマや何やらでしんどいからです。ちなみに保険会社のノルマは「保険代理店に売上を上げさせる」という間接的なノルマなので難易度高めです。
【保険代理店で働く人】
保険会社の作った保険という商品を売る人です。保険会社の別働隊として保険の募集(販売のこと)をします。この人達があなたの周りにいる保険屋さんで、何かにつけて保険の話をしてくる人達です。嫌な記憶がある人も多いと思いますが…。
【その他の人】
保険会社に籍を置きながら研修生(新規契約を最優先目的とした特別部隊。保険会社への正式入社ではなく社員という肩書きだけのいわば裏口入学組。)やごくわずかですが保険会社社員にも関わらず保険を売りにいく部隊の人もいます。

保険業界の分かりづらい区分け

プロの根拠を探すには区分けを明確に定義しておく必要があります。
色んな記事を読む中で、保険の専門家でない人(FPとか税理士とか弁護士など)が明確に定義されないテキトーな知識で書かれているものがすごく多かったので複雑ですが書きます。

分野の区分け

損害保険
自動車保険、火災保険、傷害保険、賠償責任保険などを扱う分野。
生命保険
医療保険、がん保険、終身保険などを扱う分野。
どっちの分野の商品も扱う代理店を生損保一体型と呼んだりします。

取扱う保険会社の数による区分け

専属代理店
1つの保険会社の商品のみを扱う代理店。
乗合代理店
複数の保険会社の商品を扱う代理店。

生業としての区分け

兼業代理店
保険以外にも他の業種の仕事も行う代理店。自動車ディーラー、不動産屋、税理士などに多い。
専業代理店
保険の仕事のみ行う代理店。業界ではプロ代理店と呼ばれる。保険屋さんが「プロの代理店です」って言ってきたら「あぁこの事か」と思ってください。

プロの根拠

さて、やっと複雑な区分けが終わりました。
それではプロの保険屋の根拠へまいります。
それぞれの立場から根拠を言いたいと思います。長くなるので箇条書きで。

自動車ディーラー

自動車の専門家。販売、製造工程、メンテに関して何でも知っている。自動車保険は自動車の事なのでうちに任せてくれれば安心ですよ、プロなんで。

不動産屋

建物の専門家。図面、設計、坪単価など建物について何でも知っている。火災保険は建物の事なのでうちに任せてくれれば安心ですよ、プロなんで。

FP(ファイナンシャルプランナー)

お金の専門家。税金、相続、金利などお金について何でも知っている。保険は金融商品ですよね、うちに任せてくれれば安心ですよ、プロなんで。

1つの保険会社の商品しか扱わない町のおっちゃん

俺は50年この仕事やってんだ。ずっとこの保険会社の商品を売ってる。商品はどこもそんなに違わないし、俺に任せとけば安心だよ、プロだからな。

生命保険の窓口のお姉さん

私は扱う30社の商品をすべて頭に叩き込んでいます。すべてを比較して1番いいものをお客さんに販売しているから私に任せておけば安心です、プロですから。

うちは生損保一体型の乗合のプロ代理店です。10人ほどの小さな会社ですが年間1000件を超える事故対応や民事相談に乗っています。自動車事故や賠償事案、離婚訴訟から相続の分割協議までお手伝いしています。何かあった時の保険なのでうちに任せておけば安心ですよ、プロなんで。
このようになります。
保険代理店の人全員が自分の事を間違いなくプロだと確信して仕事をしています。分かりますかね。これってすごく良い事のようで、実はものすごく危険を孕んでいます。
プロがいれば他の誰かはプロではないのが通常で、この中の誰かは「プロではないのにプロと名乗っている」のです。
保険は専門外の人からすれば複雑で、学校で教えてくれる訳でもないし、少しかじっただけでも「プロ」と名乗りたくなるのもわかります。

プロの保険屋の見分け方

では、どうやって本当のプロを見分ければいいんでしょう。
僕から提案する見分け方は3つです。

1.事故対応の時の流れを聞く

保険業界は営業ばかり頑張って契約後は放ったらかし、みたいな人が多くいる業界です。
契約後もきめ細やかな対応を望むなら、保険事故が起きた際に、どんな流れで保険金請求をすればいいのか、きちんと答えられる人がいいでしょう。

2.専属より乗合代理店

専属代理店というのは一見すると、その保険会社だけを扱うので詳しいように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
いくつかの保険会社から最善の商品を提案してくれる乗合代理店の方が業界全体に精通していて、詳しい可能性が極めて高いです。
また、保険会社は各社それぞれ微妙に商品が異なっており、メリットのあるものを組み合わせて提案してくれるのでその点もやはり乗合がいいです。

3.兼業より専業代理店

自動車事故で追突された事故の場合によくある話です。こちらに過失がない事故の場合、保険会社の示談交渉サービスは使えません。本来、保険会社は契約者から保険料(お金)をもらっているので示談交渉することは弁護士法で禁じられています。しかし、自動車事故の場合には事案の早期解決のため、過失があれば例外的に「当事者性」という名目の元で示談交渉が出来ることになっています。しかし前述の通り、無過失事故は保険会社が交渉できないため直接自分で事故の相手(もしくは保険会社)と交渉をしていく訳ですが、素直に払ってくれる相手なら問題ないです。問題は相手が支払う意思がない場合。その場合は契約者本人が出来ない交渉を代理店が間に入ってやっていくのです。これはほんの一例ですが、こういった対応が出来るのは間違いなく専業代理店だけです。
これはあくまで損害保険の話ですが、生命保険でも同様の事が言えます。保険専門にやってる人にしか出来ないことがあるんです。
さて、これが僕の提唱する「保険のプロの見つけ方」です。
あなたも保険の話は本当の意味でのプロから聞くべきだと思います。